ポジティブプラス 15

私は目の前の、白く美しいバストにしばし釘付けになった。

手で優しく包んでみる。強く掴むと壊れそうなその肌は、枕元のシェードランプの光を受けて、より白く輝いていた。そこに唇をつけていく。

キスをしながら、少しずつ乳首に近づいていくたびに、ユカリさんの体が震えた。早くそれを口に含みたい衝動を抑えて、私はその乳首を指先で転がして弄んだ。

「あ……」

ユカリさんの口から、かすかな声が洩れ出た。

「舐めていい?」

私がそう問いかけると、ユカリさんは、当たり前のことを訊くなと言わんばかりに、小刻みに頷いた。

「アヤの……したいようにして……」

まるで、うなされているみたいに、ユカリさんは言った。

私はその乳首を唇の先でついばんだ。ユカリさんは体をビクンと反応させる。

「あ……ステキ……」

徐々にキスを繰り返して、口に含み舌で舐めていく。ユカリさんの口から、喘ぎ声が吐かれる。私の口の中で、ユカリさんの乳首が固くなっていく感覚が、とても淫らだった。

会社ではそんな一面はおくびにも出さず、真剣な顔をして仕事をしているユカリさんの体が、今は私の手の中にある。それを思うと、より興奮を掻き立てられた。あの堂島部長の淫靡な貌を、私だけが知っているのだ。その優越感はハンパない。

ユカリさんの乳房を舐めながら、上目遣いに見上げる。目を閉じて、感じている顔がエロティックだった。細い首が艶めかしい。

もう片方の乳房も口に含んで、舐めていく。右手の指で、舐めていない方の乳首を転がした。両方の胸を責められているユカリさんは、とても幸せそうに私に身を任せていた。

やっぱりユカリさんは素敵な人だ。私はつくづく思った。

私は胸の愛撫をやめて、不意にユカリさんにキスしたくなった。体を起こして、ユカリさんの唇に吸い付いた。舌を絡め合って、ユカリさんとねっとりとした口づけを愉しむ。

「ユカリさん、大好き。すごく好き」

「どうしたの? 急に」

私はユカリさんの上に乗って、胸と胸を合わせた。そのままユカリさんに抱き付いて、じっとしていると、体に温もりが伝わってきて温かかった。

「もういいの? 最後までしないの?」

ユカリさんの優しい声が耳元で聞こえた。

「うん、もう、十分。あとは次回にとっとく」

変な言い回しに、ユカリさんは笑った。

「これって、とっとくもんなの?」

「もう、お腹いっぱい」

ユカリさんの体を愛撫できたことで、私は十分に満たされた。ユカリさんはクスクス笑っている。

「じゃあ、今度は私が味見しちゃおうかな」

ユカリさんは私の背中に手を回して、ブラのホックをはずした。そうされて、私は自分が下着を着けたままだということに気付いた。締め付けられていた感じがなくなると、私は開放感を感じて、またドキドキしてきた。

ユカリさんは私と体勢を入れ替わるようにして、私を下に組み敷いた。上から見られると、また違った色気がある。まずは定番のキスだ。ユカリさんの柔らかい舌が、私の舌を弄ぶ。

そして、首筋にキスされた。柔らかい唇を首筋に当てられる感覚はたまらなく感じた。それだけでイってしまいそうだった。

「あ……気持ちいい……」

「気持ちいいでしょ?」

「ユカリさんも、気持ちよかったの?」

「うん、すごく感じたよ。アヤが上手だから」

ユカリさんは私の首筋を優しく舐めた。耳にユカリさんの息遣いが聞こえてくる。そして、ユカリさんの乳首が私の胸をくすぐった。女に愛撫されると、こういう感じなんだと初めて知った。

キスをしながら、だんだんと下に下がっていく。ユカリさんの手で私の乳房は包まれていた。そうされると、とても安堵感を覚えた。年上のユカリさんにリードされることが、こんなに幸せだなんて思わなかった。本当に好きな人に愛撫されると、とても感じる。

そして、愛されてる感が伝わってくるのが嬉しい。私が求めていたものはこれだったのだ。ユカリさんにリードしてもらいたい。この抱かれている感がたまらない。私はユカリさんのものなのだということを、体で感じられる。

ユカリさんが私の乳首を口に含んだ。その舌触りで、体に電流が走るようだった。ユカリさんも興奮しているのが分かる。

「きれい……、ホントにきれいよ。アヤの体。あー、ステキ。たまらない」

私もたまらない。こんなに感じるセックスは今までに経験がなかった。女性の愛撫は優しくて繊細だ。ハマりそうだ。

ユカリさんは私の両方の乳房を舐め尽すと口を開いた。

「私は下も食べたいな。いい?」

「どうぞ。残さず食べてね」

ユカリさんはクスリと笑う。

私の太ももに少しだけ、舌を這わせると、ゆっくりと脚を広げた。ユカリさんはその間に顔を入れた。私の恥ずかしい部分をユカリさんはじっくりと眺めている。自分でも普段、あまり見る所ではないが、ユカリさんに見られると、不思議と恥ずかしさを感じない。むしろ嬉しくて、それだけで股間が濡れてくる感覚だった。

「ああ、たまらないわ。舐めていーい?」

もう、いちいち訊かないで。好きにすればいいのに。っていうか、舐めないで、なんて言うわけないじゃん。

「ダメ、って言ったら舐めないの?」

「舐める」

ユカリさんは私のクレバスに舌を入れてきた。愛液を救うようにして舐められているのが分かる。

「ああ……」

私は大きく声を出した。快感の波が襲ってきて、自分でも恥ずかしいくらいに、自然に声が出てしまう。こんなにされたら壊れそうだ。

股間から体の中を通って、快感が突き抜ける感じだ。ユカリさん、上手にクリトリスに舌をあててくる。

あーヤバい、イきそうだ。私もそんなに経験豊富ではない。こんな快感は初めてだ。

「ああ! ダメ、あーイきそ、ああ……」

私の体から力が抜けた。ユカリさんの愛撫で、あっけなくイってしまった。それは情けないほど、あっけなかった。少し舐められただけなのに。

「イったの?」

「ごめんなさい……気持ちよくて……」

「ううん、可愛かったよ。私でイってくれたのね」

ユカリさんは私の顔に唇を寄せてきて、そのままキスしてくれた。

「ユカリさんで、イきたかったの」

「本当? うれしい」

またキスだ。そして二人で微笑み合う。

「やっと一つになれたね」

「そうだね、しあわせだね」

「うん、しあわせ」

ユカリさんは私の上から降りて、並んで横になって、掛布団をかけた。

「ねえ、訊いていい?」

しばらく沈黙してから、ユカリさんが言った。

「なに?」

「夏目さんと貫井さんが、どうして合うの?」

なんだ、その話か。せっかく余韻に浸ってるのに。一気に興ざめだわ。ユカリさん空気読めてない。

「ほら、夏目さんて、なんとなくエッチそうじゃないですか」

「うん、それは分かるけど、なんで貫井さんと合うの? 二人ともレズってこと?」

いかん。それを言うと、貫井さんがそっちだとばれてしまって、私が、なぜそれを知ってるか、ということに話が発展する。貫井さんとは何でもないと言っている手前、それを知っているというと、話がややこしくなってくる。

「だから、夏目さんが、あの綺麗系の貫井さんを見て、どう思うか、っていうのが楽しみで。なんか口説きそうな気がするの」

「それだって、夏目さんがレズでなければ、口説いたりしないでしょ?」

「私が思うに、夏目さんは両刀使いですよ」

「そうぉ? アヤの考えすぎじゃない? ただ話を面白く持ってってるだけじゃないの?」

「そう、かな。じゃ、賭けましょうか? 私は、二人は出来ちゃう方に賭けます」

「いいわよ、じゃ、私は出来ない方ね」

なんだか変な展開になってしまった。

「何を賭けるの?」

「焼肉!」

「おっけー」

と、なってしまったが、大丈夫だろうか? あとで自分の財布を見ておこう。

それから一週間経ってから、今度は貫井さんが東京本社に出向いてきた。浜松の店で出すコーヒーのテイストをチェックするためだ。我が社で全国展開している珈琲貴族で出しているコーヒーは、地域によって味が違う。その地域で好まれる苦さになっているのだ。

そのテイストチェックをするために、貫井さん上京してもらった。コーヒーの味は売上を左右するので、結構、重要な仕事になるのだ。このテイストチェックは本社でなければ出来ない。コーヒーの機械やサンプルを持って、地方に出向くことはちょっと大変なので。

そして今回は夏目さんが初めて貫井さんと対面する日でもあった。私が貫井さんと会うわけではないが、それがとても楽しみだった。

午前11時、少し前に一階のインフォメーションから内線が入った。貫井さんが来社したらしい。それを聞くと、ユカリさんと夏目さんは一階にお迎えに行った。すでにテイストチェックの準備はテイストルームに出来ている。

テイストチェックに携わる社員は専門の人たちだった。その部署の全員がコーヒーマイスターの資格を持っている。その人たちと一緒にテイストチェックをすることになる。かなり重要な役どころなのだが、浜松のホテルから訪れたのは、貫井さん一人だけだった。

ユカリさんと夏目さんは、貫井さんをテイストルームに案内した。

静岡県内にも珈琲貴族は何店舗かある。そこで使われている豆のサンプルも用意されていた。同じ豆でよければ、それでいいのだが、他と違った味にしたいというのであれば、いろんな味を吟味する必要がある。

そのあたりのことは専門の人たちが話をしていくのだ。この作業も奥が深くて、すぐに決まってしまうこともあれば、半日ぐらい時間を要することもある。

あとで話を聞いたら、貫井さんも相当悩んだらしい。最終的に候補が2つ残り、そのどちらにしようかと迷ったらしいのだ。そこで夏目さんが一言アドバイスしたらしい。

「自分の舌を信じて、お好きな方にしたらいかがですか?」

傍で見ていたユカリさんは何も口を挟まなかったようだ。

最終的に貫井さんが選んだのは、あえてオーソドックスな豆だった。苦味、酸味、渋み、旨みが総合的にバランスがとれた豆だった。静岡県内でその豆を使っている店はないそうだ。それは大きな賭けでもあった。ホームランか三振かという感じだ。

ホテルには全国から、たくさんの人たちが集まってくる。決して、地域住民だけが相手ではないのだ。貫井さんはそれを計算して、その豆を選んだのだ。

貫井さんのテイストチェックは2時間ほどで終わった。そのあとは、ユカリさんと夏目さんと貫井さんの三人で外食に出かけた。私たちも浜松に行ったときウナギを奢ってもらったので、それは当然のおもてなしだ。

連れて行ったのは、会社近くの有名なお寿司屋さんだった。私も一度だけ連れてってもらったことがあるが、味はピカイチだ。

これもあとでユカリさんから聞いた話だが、夏目さんと貫井さんはとても馬が合うようで、すぐに携帯番号の交換をしたそうだ。ほとんどユカリさんそっちのけで、二人は盛り上がっていたらしい。

その夜、夏目さんから電話が入った。

「お疲れ様です。どうしたんですか?」

「うん、今日、貫井さんと会ったんだけど……」

「ああ、そうでしたよね」

私はわざと興味無さそうな振りをした。

「うん、それでちょっと聞きたいんだけど」

「なんですか?」

「彩ちゃんと貫井さんて、何でもないんだよね?」

「え? どういうことですか?」

「だからね、その、仕事以外にプライベートで会ってるとか、特別な感情を持ってるとか、そういうのは……」

「ないですよ。彼女とはあれから会ってませんし、連絡も取ってません。それがどうかしましたか?」

「ああ、そう。いいのいいの。ちょっと気になっただけ。ごめんね、遅くに」

それだけ言って、夏目さんは電話を切ってしまった。私はにんまりとした。これは……焼肉が近いぞ。

私は早速、ユカリさんに電話して報告した。

「やっぱりね。私もそれは感じたわ。あの二人、絶対怪しいわ」

「だから言ったじゃないですか」

「あーん、悔しい」

「ごちそうさまでーす。美味しい店検索しときますね」

そして、何日か過ぎたとき、私はなにげに夏目さんに訊いてみた。

「貫井さんとは連絡取り合ってるんですか?」

私は仕事のことで、というつもりで訊いた。

「うん、たまにLINEでね」

曖昧な言い方だ。

「あの人も、結構、楽しい人ですよね?」

「そうね。話し好きみたいだし」

「二人で食事したり、飲みに行ったりしないんですか?」

「だって東京と浜松だもん、頻繁には会えないわよ」

確かにそれは言える。確実に会っているのは貫井さんがテイストチェックで上京したときだ。

え? まさか……初対面でいきなり!?

って、それはないわよね。

でも、夏目さんと貫井さんが会って、エッチしているという確証を掴まなければ、焼肉にありつけない。何かいい方法はないだろうか?

そうだ、いい手がある。もうこれしかない。

「あ、ねえ、夏目さん」

「うん?」

「また、飲みに行きませんか?」

夏目さん、すぐには反応せずに、私の顔をじっと見てきた。そしてにやける。

「なーにぃ? また私のおっぱいが触りたくなったの?」

「そんなんじゃないですよ。夏目さんと飲みに行くと楽しいからですよ」

「いいけど、給料日前だから、あんまりお金ないよ」

「今度は私が奢りますから」

「そんなこと言って、ベロンベロンに酔ったら、結局私が払うことになるじゃん」

「この間はすいませんでした。今度は大丈夫です。もう飲みませんから」

半信半疑で夏目さんは私を睨んだ。

「じゃあ、いいけど。いつ行くの?」

「今日とか、大丈夫ですか? 前回のお店で」

「いいわよ」

深呼吸でもするように、大きく息を吸い込んでから、夏目さんは言った。

定時を迎えて、仕事を終えた私と夏目さんは早速、前回と同じ居酒屋に足を運んだ。

個室の部屋に通されて、私たちは飲み物と食べ物を注文した。もちろん私はウーロン茶だ。今日は呑む気はない。

今日、夏目さんと二人で飲みに行くことはユカリさんに報告してある。黙って飲みに行くと、またユカリさんが拗ねるからだ。

「貫井さんのテイストチェック、どうでしたか?」

まずは仕事の話から入るのが無難だ。

「うん、かなり迷ってたみたいだけどね。結局、一番無難なやつに決まったわ」

「ああ、関東圏内で使われてるやつですね」

「そうそう。それより何? また何か悩み?」

「いいえ、今日はそれ系じゃないです。前回が楽しかったから、また飲みたくなっただけですよ」

夏目さんはまんざらでもないように嬉しそうに微笑んだ。

料理が運ばれてくるにつれて、話も盛り上がってくる。

「ねえ、そういえばさ、あ、でも……これ言っちゃまずいかな~」

思わぜぶりに夏目さんが目を輝かせて言った。

「なんですか? 面白い話ですか?」

「うん、面白いと言えば面白いけど……」

余計に聞きたくなる。

「なんですか? 教えてください」

「絶対、誰にも言っちゃだめよ」

人差し指を口にあてて、夏目さんは言った。

「絶対、誰にも言いません」

「あのね、登坂さんと荒川さん、出来てるみたいなの」

「……は? どういうことですか?」

「だから……私ね、見ちゃったのよ。先週の木曜日だったかな、私と登坂さんと荒川さんが残業してたときだったけど」

「うんうん」

「私、仕事切り上げて先に帰ったのよ。でね、駅近くまで行って、携帯忘れたのに気付いたの。会社に。それでオフィスに戻ってみたら、二人がいないのよ」

「二人も帰ったんじゃないですか?」

「私もそう思ったんだけど、それにしては電器が点けっぱなしだし、パソコンも付いたままだし。どうも様子がおかしいのよ。で、ミーティングルームのブラインドが下りてたの」

私たちのオフィスには、ミーティングルームがあって、そこはガラス張りで出来ており、外から見える構造のなっているのだ。それを見られなくするために、ガラスの上にブラインドがある。見られたくなければ、そのブラインドを下ろすのだが、そういう状況はあまりないので、普段はブラインドは開けたままだ。

「はい」

「なんだか様子がおかしいと思って、そっと近づいて、ドアを少しだけ開けて、中を覗いたのよ。そしたら……」

「なんですか? 変なとこで切らないでください」

「登坂さんと荒川さんが抱き合ってキスしてたの」

「ええ! マジですか?」

夏目さんは頷いた。私は驚いて両手で口を塞いだ。

「もう、びっくりしたわよ。ほら、あの二人ってさ、今、横浜に出来る新店舗のオープンイベントを企画中じゃない。それで二人で仕事をするうちに……」

「変な方向に行っちゃったってことですか?」

「だと思う」

「へー、そうなんですか」

これは新情報だ。早速ユカリさんに報告だ。確かにあの二人に、ユカリさんがその仕事を振ったのを私も見ている。

「絶対、誰にも内緒よ」

夏目さんは改めて言った。そして、「ちょっとトイレ」と言って、夏目さんは部屋を出て行った。

今だ! 今回の私の任務を遂行するときが来た。登坂さんと荒川さんの話は興味深いが、今はどうでもいい。こちらを優先させなければ。

私はテーブルに置いたままの夏目さんの携帯を手に取った。急いでLINEを開いた。貫井さんとのやりとりがあるはずだ。私はそれを見た。すると、こんなやりとりを見つけた。

「昨日はお世話になりました」

これは貫井さんがテイストチェックに来たときのことだ。

「いいえ、こちらこそ。リエさんに会えて嬉しかったです」

もうリエさんと呼んでいるのか。

「あなたの唇の感触がまだ残っています」

「強引にキスしちゃってごめんね」

「いえ、嬉しかったです」

「また、すぐに会いたいです」

「今度のお休みに浜松に行きますね」

「はい、お待ちしています」

私はそのやりとりを自分のスマホで撮影した。これが何よりの証拠だ。ここまでしていいのかな? と思ったけど、こうしないと賭けが成立しない。この会話だと、夏目さんと貫井さんは、出逢ったその日にキスしたということになる。

テイストチェックの後で、二人でゴハンでも食べに行ったのだろうか。そして、ほろ酔い気分になったところで……。というのが私の推測だ。

もしかしたら、この店かも知れない。ここなら人目を気にせずキスぐらいならできる。

会っていきなりなんて、すごい。夏目さんも手が早い。私は夏目さんのスマホを元に戻して、何食わぬ顔をした。


つづく・・・




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by sousaku63 | 2017-03-20 11:40 | ポジティブプラス | Comments(0)

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